2014/3

私が高校の時に出会った同級生の話78






その日、蓮は私の耳にピアスの穴をあけてくれた。









約束してたから ね。











耳を氷でよーく冷やして、ぎゃー!つめたいー!つめたいー!って暴れる私










「よし!いくよー!」









「ひいいいい!」









がしゃんっ










「ふおおおおお!ああーーーー!緊張したーーー!!でもあんまり痛くないーーー!!」











「ふっふっふ。だろ?テクニシャンだろ~う」











「いやなんかじわじわ痛くなってきた笑」












蓮はあははと笑って、すっごく嬉しそうだった。











そんな蓮をみて、私も嬉しかった。

 










そして他にも最近のこととかいろいろ話して







あーだこーだきゃっきゃしてる間に






あっというまに時間がきて、バイバイした。









私はまたねーー!といって家の外まで出て蓮を見送った。








「えとーさん、今日はありがとう!歌、頑張ってね!」








そういって蓮は大きく手をふって、帰って行った










遠くなっていく蓮の背中をみて、なんだか変な感覚になった。









後にも先にもこの一回だけだ、蓮の背中をずっと見送っていたのは。





 



たぶん、もう会えないような気持ちになった。









嘘じゃなくて、本当に。









 

その時の景色はずっと記憶にのこってる。









とっても、とっても、寂しいような、でもこれでよかったような、あれは不思議な感覚だった。





色でいえば、ブルーグレーのような、透明のような。







 

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私が高校の時に出会った同級生の話77






蓮。












蓮と最後に会った日のことは今でもはっきり覚えてる。

 





「夢は制限がないんだよ、夢はでかくもつべし!」


 


 

 ちょうど私が歌がうまくいかなくて、ちょっと休もうって思って実家に一週間だけ里帰りした時のこと。






私は実家に帰ると大体家族で旅行いったりとかで過ごすから






地元の友達と遊ぶタイミングが合う時がなかなかないんだけど






このときは蓮と前もって約束してたから、ちょっとの時間だったけど会えたんだ。








この日は蓮があるノートをもって、私の家まで会いに来てくれた






私の部屋にどかっと座って、おもむろにそのノートを開いて、蓮はにこにこしながら私に見せた





 「なにそれ、そのノート何。」








「うふふ。あのね、私ね、えとーさんに話したいことがあって今日きたの。聞いてくれる?」







蓮はいたずらに笑って、すぐにちょっと真剣な顔つきになった。





そういえば私はこいつのコロコロ変わる表情が大好きだったな。






「え、うん。。なになに」








「これ、みて」

 




蓮はノートをぺらぺらめくって、あるページを指差した。





そこには海外セレブが住んでそうな、超いい家の切り抜きが貼ってあった。





海の見えるとってもきれい な家の写真、の雑誌の切り抜き






「あのね私ね、こんな家にすみたいと思ってる!いや、住む!」









「え?!はい?こんなでっかい家に!?」







「うん。うふふ!

きっと朝はオレンジジュース、たまご、パン。和食もありかな。漬物は絶対ダメだけど。

大好きな人と動物も何匹かいて幸せなの。えとーさんも遊びにきてもいいよ?」






蓮はうれしそうに鼻をこすった。




私は蓮がおかしくなったのかと思ってちょっと呆然としてた





「あのね、えとーさん。



この世界で叶えられないことって、ないんだよ」 






「え…、、?い、いやでも…、私にはこんなすげー家すめないなあ。。」








 「えとーさん。。。。えとーさんはね、なんでもかなえられる!





私だってそう。私だって全部叶える。



手に入らないものは、ないんだよ。



願わなければ、手にはいらないよ。



最初から叶わないと思ってちゃ、そりゃいつまでたっても叶わないでしょ。



そんなの、もったいない。まず願うことだよ。なんでもいいから、大きくても、小さくても!



大切なのは、方法はなんでもいいからこうやってリアルにイメージして、




自分が何が欲しいのか明確にして、わくわくして、頑張ることが大切だよ!




えとーさんなら、できるよ!」






蓮はノートをぐいっと私に近づけてみせた


 「お、おう…笑」






 「だからね、えとーさん、夢は大きくもとうぜ!




自分で夢を制限したらだめだよ。えとーさんならできる。



私だって全部かなえてみせる!ね?」

 




  うん。



そうだね、蓮。






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私が高校の時に出会った同級生の話76





眠りに落ちたかと思ったら次の瞬間





携帯がけたたましくなる音で起こされた







もう窓の外は明るかった。






爆睡していたのか、まばたき並に寝て起きたのがあっという間に感じた









窓からさす日差しがあったかい










もう朝か…ああバイトいかなきゃ…いつの間に寝ちゃったんだろ…









ねぼけた頭でそんなこと思いながら









枕元でけたたましく鳴っている携帯をとった











シホからだ







どしたんだろ







少しだけ違和感







「はいはい、もしもし、どした?」










 「……うっ…うう」













 「…え。…やだ…なに。…どうしたの。」 















「蓮が…












死んだって…」













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私が高校の時に出会った同級生の話75










相変わらず私は、バイトにあけくれてた。

  





 東京一人暮らし。



つらいことも沢山沢山あったのに、音楽をやめることはできなかった。

  



なんかよくわからない何かに突き動かされてた。





 そんな疲れたある日の夜だった





ちょうど、新年が明けて、





世間は正月モードから仕事に気持ちを切り替えるか切り替えないかぐらいの時





わたしは販売のバイトだったからそんなの街のテンションとは関係なく既にクタクタで






泥のようにベットに倒れて爆睡していたある日の夜。






1月6日深夜

 





突然、ラジオがついた。





 大音量で。




 

私はびっくりし て飛び起きて、あわててラジオのスイッチをきった。





電源は落としていたはず。





 リモコンでもおした?と思って見回したけど、リモコンはちゃんと定位置に置いてあった。






 何が起こったかわからなくて、しばらくぼーっとしてたけど







 まあいっかと思って寝た。

 



そんだけ疲れてた。





すぐに眠りに落ちた。

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私が高校の時に出会った同級生の話74







「じゃ、うちら原宿いってくるねー!えとーさん、また連絡するね~!」






「はいはい~たのしんでね~」

 




ものすごい爆弾発言おいていったなあいつ、と思いながら








ああ、蓮がさがしてたもの、見つけたんだなってなんだかおもった








私はそれからも変わらず、歌って、バイトして、歌って、バイトして、を繰り返した。









 そのうちに何故か、蓮も本格的に音楽を目指し始めたということを友達伝いに聞いた







 私はあわてて蓮に電話した





「そうなんよ!私もね、歌歌いたいなあって思って!えとーさんには全然かなわないけどね」







 「すごい!やばい!嬉しいかも。私蓮の歌好きだよ。かわいいしさ、声も特徴的だし。いつか一緒に曲とかやりたいね!笑」

 





「そうやね!とりあえず私練習するけん、今度歌聴いてね!えとーさんにまけないぞ~」








 「はは!私もがんばるよ。」

 





嬉しかった。








蓮は抜群に可愛いし、頭いいし



死ぬほどカラオケいってるから声も本当に特徴的なの知ってるし、



もしかして私より先にデビューできちゃうんじゃないかって思ってやべえって気持ちもあったけど 





蓮が同じ音楽を目指すって決意してくれたことが私にはすごく感動した

 





だってあんなに「やりたいとがない」といってた蓮が、だ。

 





あの蓮が。

 





でも、その時気づけばよかったんだ。

 



蓮は、さみしかったんだ。

 




きっと自分で、魂の深い深い部分で、もうわかってたんだ。





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