カットは理論8割センス2割(たぶんね)

今日の記事は特に同じ理美容師の方に読んでもらいたい内容です。


理論8割センス2割


これはおれが思うカットに必要な要素の割合です。


理容師・美容師は一般によくセンスでカットしているとか思われがちではありますが、

それは違います。


単刀直入に言って基本的に感性だとかでカットしているわけではありません。


カットには理論があります。

算数の図形問題や数式のように1+1=2のようなルールがあります。


つまり、例えば素人の人にハサミを持たせたとしても、
極端に言えば数日あれば、
その公式通りにさえやればボブカットやワンレングス、ショートレイヤーあたりなら、
それなりにそこそこ見れるくらいのカタチは作れるんです。


煮詰めればワンレングスやボブは最も難易度の高いスタイルではあるんですが、
一応美容におけるカットの基本はこの2つになります。


ちなみに理容では刈り上げとスポーツ刈りがカットの基本になります。


よくセンスで切っていると思われがちですが、

もし感覚だけでカットしているとしたら、
毎回まったく同じスタイルは作れないということにもなります。

下手すると次回は同じスタイルが作れないわけです。

毎回それっぽい大まかなカタチにはできても、
「同じ」にできなければプロとしておかしな話になると思います。


ワンレングスにするために一つの公式があり、
ボブにするためにいくつもの公式があります。


ボブの場合基本的な公式の他に、
多様なボブスタイルのバリエーションがあるのでさらにいくつもの公式が存在します。


その場合に、その公式(理論)+センスの加味が必要になることがあります。


これはレイヤースタイルにも言えるのですが、
基本的なセイムレイヤーと呼ばれるスタイルからショートレイヤー、

ミディアムレイヤー、ロングレイヤーとアウトラインの長さにより、

多様なスタイルのバリエーションが可能な場合にセンスが加味されます。


ハイレイヤーやローレイヤーの入れ方もデザインにおけるセンスが関わると思います。


ボブの場合、基本的にグラデーションカットではありますが、

様々なバリエーションを可能とするときには、
そのグラデーションカットにレイヤーをどのように入れるかがカギになってきます。



ウエイト(重心)のコントロールをグラデーションとレイヤーで調節することが必要なのですが、


それを作りたいスタイルにするためにはどのようにコントロールするかの判断がセンスになります。


そしてそれを実行、実現させるのに理論が必要になります。


よく何気なく切っているように見られていますが、

簡単に言えば引き出した毛束を頭皮からどのような向きにどのような角度で引き出すかで全く効果は変わります。


方向を手前に引き出すのか、向こう側に引き出すのか、


角度は頭皮や床に対して高く引き出すか低く引き出すか、平行に引き出すのか、


またはストロークカットやスライドカット、セニングの入れ方において、

表面側にハサミを入れるのか、
側面側にハサミを入れるのか、
下側にハサミを入れるのか、

梳きハサミの入れ方、使い方、
ストロークカットなら押し削ぎと引き削ぎでは用途も質感も全く変わります。

カービングカットによるサイドからのスライドカットと、
表面に短い毛を作るスライドカットでももちろん用途や効果は全く違ってきます。


これらによりボリュームの出し方や方向性、毛流をコントロールすることができます。





ところが、

うちの会社の千円カットでは、
このようなカットのルールを理解できている理美容師は残念ながら1割程度しかいません(;_;)


それ以上は書きませんが・・

ベースカットにおいて基本理論はもちろん大切で、

さらに毛量調節におけるセニングの使い方も感覚ではなく、

理論的に行わなければいわゆる「盛り」や、
毛束感や毛流コントロールを上手にすることはできないのです。







リズムよく適当に梳いてれば、
とにかく梳きまくって軽くすれば動きが出せる、、

と考えている理美容師はハッキリ言ってヤブです(T_T)/~






感性は「勘性」ではありません。


ですが千円カットの実に9割近くの理美容師がこの理論をよく理解していないために、

千円カットがバカにされる所以がそこにあるのだと思います(;_;)


数年前までの低料金サロンに比べれば、

たしかにこの数年で以前よりは低料金サロンもずいぶんまともな仕事をしているのは間違いありませんが、

いかんせん感覚を頼りにカットしている半信半疑の技術者が多いために、
再現性の無いスタイルを連発している現実もあるとは思います。


ですがこれは当たり前のサロンのスタイリストにおいても、
ちょくちょくあてはまる場合はあり得ると思います(>_<)


千円カットのスタイリストたちも自分含め、
半数は元々は当たり前のサロンのジュニアスタイリスト~トップスタイリストなのですから。

そして残り半数がアシスタントだった人達です。


カットというものは仕上がりのセットをイメージして常に考えながらハサミを入れ、
梳きを入れなければ再現性の高いモノは作れません。

ただ梳きまくって毛先ペラペラにして全体を薄くするようなセニングは素人の入れ方です。


毛束や盛りを作る梳き方にもルールがあるし、ちゃんと公式があります。


筆の穂先のような毛束の再現にはある程度の重さも必要になります。


エクステの一束が分かりやすい良い例です。


感覚とかセンスなんかで梳いていればグチャグチャのガタガタになって、
次回のカットで直せなくなる場合もあります。


そもそもよく言われるのが、

髪が多くてボリュームが出て膨らむからたくさん梳いてほしいというオーダーですが、


そもそも梳く行為自体が短い毛を間に入れて、

その弾力で長い髪を支え上げてボリュームを出すというテクニックなので、そこをよく勘違いされがちです。

厳密に言うと梳けば量は減りはしますがボリュームはダウンしません。

むしろボリュームは出ます。


髪というのは長ければ寝ていますが、短くすることで弾力を生まれます。


梳きで隙間をたくさん作れば空気感が生まれ、密度や規則性を失うので、

結果的に短い毛が押し上げる弾力により立ち上がりボリュームが出るのです。


ショートにすると動きが出しやすいのはこのことからです。




逆に梳くことで髪の密度や規律性を損なえばツヤを失うし傷んで見える場合もあります。

言い替えればいわゆるシャギーがまさにこのような状態でもあります。


シャンプーのCMのモデルの髪は特に段の入っていないワンレングスベースがほとんどだと思います。


昔の日本人のような、紫式部のような梳きナシの髪は密度が高く、規則性を持つので、
きれいに切り揃えられることでツヤが出ます。


まあ、梳きまくったスタイルやシャギーが入ったスタイルには、
どんなシャンプーを使っても物理的にツヤは出にくいということにもなります(笑)


ツヤを出すのは日々のケアだけでなく、

主にはカットと補助的には赤系のカラーなどを使って出すということになるでしょう。


そしてくせ毛がよくハネて収まらないからたくさん梳いてほしいというオーダーもよく耳にします。


くせ毛を梳けば収まるというのはまったくの錯覚で、
むしろ梳けば悪化させてしまいます。

強いくせ毛の場合、多くはクセにより隙間が生まれやすく、
さらにセニングにより軽くされることで余計広がりやすくなります。


この場合毛先にシャギーが入ればますます広がりやすく収まりは悪くなるのです。

この場合は毛先をむしろきれいに揃えてカットし、

規則性を髪に与えやや重ために仕上げた方が手入れを考えればベターなのです。

均等に少しずつセニングを最小限に入れ、
膨らみを最小限にすることがポイントなのです。


このような基本的な理念や理論を念頭にカットしている理美容師が低料金にはあまりいないという事実が非常に歯がゆい思いです。


ほんのちょっと気をつけるだけでかなり違ってくるのですが、、

やはりプライドもあるため、スルーしておくことが一番なのですが、

自分がその次にカットをする際に前回のカットの仕方に悩まされることが時々あります(>_<)


ただ、千円カットにこられるお客様もその技術に慣れているがために、

とにかく軽く、

とにかく梳いて、

みたいな愚問とも言えるオーダーが多いのも悲しい事実です(T_T)

ベストな状態で鏡見せたらもっともっと薄く!とか言われることもありますから(泣)

(うなづきはしますがやりません。やったフリだけしてまた鏡見せますけどね)


セニング一つにしてもボリュームを出すセニング、

ボリュームを抑えるセニングと短い毛をどういう風にどこに入れるかでコントロールすることができます。

そんなこと考えなくたってとりあえず梳いてりゃそんなんできる、


じゃあなくてそうする時はそうやらなければできないんです。

全ての物事には意味があるんです。
髪質によって梳き方やボリュームの出し方、抑え方は使い分けなければなりません。


長くなりましたが理論8割センス2割、


カット理論が理解できてくればウエイトコントロールなど最低限のセンスは身に付きます。

残り2割のセンスはいわゆるデザイン的なものと、
ハサミの入れ方、つまり質感におけるセンスになります。

理論が理解できればマッシュだろうがウルフだろうがアシンメトリーだろうが、
大抵のデザインはそう難しくはありません。


要は公式と公式の組み合わせなだけで、
キッチリと公式を組み合わせつなげればカタチはおのずと出来上がるんです。

そして定石に逆らわずにセットのイメージに沿って考えながら毛量調節すれば仕上がるんです。


まだまだ自分も修行中でありますゆえあまり偉そうには言えませんが、まだまだ精進します。

最後までヨンデくれた方、ありがとうございました(>_<)


理論8割センス2割、

カットは感覚で切っているものと思っている方、

実は違うんですヨ。

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