【連載第3回】くすぶりソムリエによるコンビニワインのおすすめ~レ・グランザルブル・ルージュ編

元凄腕コンビニ店長、現くすぶりソムリエの筆者による、コンビニワインのおすすめと、つまみを紹介する新連載開始!ふらっと寄って買えるコンビニワインとコンビニつまみのマリアージュで、今夜1杯しませんか。第3回はローソンのレ・グランザルブル・ルージュ2014。

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目次

コンビニワインとつまみのおすすめ第3回

手間がかかろう、美味かろう、安かろう

オーガニック、オーガニック、オーガニック。
気が付いたら、いつの間にか、生活のずいぶん身近なところにオーガニックがある。化粧品をはじめ野菜やコーヒー、紅茶、そしてワインもそう。
ビオディナミ、オーガニック・ワイン、自然派ワイン、ヴァン・ナチュール、言葉にするとオーガニックのワインを表現する言葉もいくつもある。
ワインって農作物で、収穫されたブドウの出来が(何ならその気候風土まで)、そのまま味わいに反映されるのがワインの面白いところ。
自分のことを振り返ってみれば、夜道を照らす便利の象徴的なコンビニで大半の時間を過ごしてきた20代の頃は、オーガニックなんて考えもしなかった。
不思議なもので、美味しいワインを探すようになって「これは」と思うと、オーガニック栽培のワインに行き着くことが多い。
オーガニックワインと普通のワイン、一体何が違うんだろう。
生産者と話したって、「試してみたら良いブドウが取れるようになった」と異口同音だ。
オーガニックが一般的になったのは、売り場でも産地でも、ここ最近のこと。
ブドウを育てるのには、手がかかると言う。
そりゃ、そうだ。便利で手軽なものを使わない選択をしている造り手も多いのだから。
なんて思っていたら、便利の象徴的なコンビニのひとつであるローソンで、オーガニックをウリにするワインに出会った。
ワインのウリは饒舌に語れるのに、自分のウリはまだ模索中…そんなやりきれなさを毛穴から出しながら今日もなんとかやっています。はじめまして、こんばんは。くすぶりソムリエ宮地です。
出会ったワインは、レ・グランザルブル・ルージュ2014
(おそらく)南仏で造られた、原産地表示のないワイン。
オーガニックがこんなに身近になってるんだ。そりゃ、そうだ。口に入れるものだもん。
つまみはからあげクン。そりゃ、そうだ。ローソンだもん。
イラスト:宮地英典

価格も味わいも小さめだけれど、のびやかで素直な味わい。派手ではないけど、ひとつひとつの味わいに温かみを感じるワイン。
まだオーガニックという響きはどこかこそばゆくも感じるけれど、そのうち“自然に“オーガニックは身の回りに増えていくんだろうと思わされたコンビニワイン。
レストラン時代のお客様に大手出版社でグルメ系の雑誌の編集を手掛けている方がいます。
その当時いわゆる自然派ワインブームの真っ只中だったのですが、自然派という言葉がマーケティング用語のように扱われている、と編集者の方が仰っていました。
実際にオーガニックをウリにしたワインは玉石混交といった趣で、なかには明らかに醸造上、欠陥のある不衛生なワインも人気を博していましたし、酸化防止剤無添加ワインという、もはやワインではないものも国産メーカーによってつくられていました。
この便利な世の中で、オーガニックを志向するということは一種ライフスタイルの選択的な響きもありますが、今後は、当たり前の選択肢のひとつとして市民権を得ていくのでしょう。
ワインに関して、厳密にオーガニックとそうでないものを味わいで見分けることは、熟練のテイスターでも難しいこともあります。
高級ワインでもオーガニックでないものもありますし、オーガニックを謳わずに、しっかり導入しているブランド・ワインもあります。
ただ、20世紀後半の化学薬品を使用した大量生産指向は、やはり環境に影響があり、長い目で見たときに継続困難だという判断が、農業であるワイン産業のなかでも、おおむね支配的な考え方です。
レ・グランザルブル・ルージュ2014は淡く、少しくぐもったところもありますが、透明感もある濃い目のルビー色。
柔らかで甘さ控えめのベリー系のジャムの香り、フレッシュでバランスの良いカシス、ブラックベリーの味わいに小さな酸とスパイス。小柄だけれど嫌みのない、ワインに苦手意識を持っている方にも気軽に触れていただきたい、おすすめできるワインです。
コンビニのような大きい流通に乗るワインでさえ、オーガニックを選択した信頼できる健全なワインとして棚に並ぶ時代になったのですから、ほんの数年前と比較して隔世の感すらあります。
“自然にワインのある生活”も、もうすぐそこまできているのではと思ったら、ワインもより美味しく楽しめました。
出典:www.ponparemall.com[/caption]
レ・グランザルブル・ルージュ2014 375ml(ハーフボトル)
647円(税込698円)
産地:フランス(おそらく)ラングドック中心
品種:グルナッシュ、カリニャン、サンソー、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン
【連載第2回】くすぶりソムリエによるコンビニワインのおすすめ~フロンテラ・ロゼ編

宮地英典

【宮地英典/Eisuke Miyaji】

1976年生まれ

ソムリエ

コンビニエンスストアとワインのプロフェッショナル。 20代は某大手コンビニ店長として数々の商材のトップセラーとして従事。 30代より、接客のフィールドをレストランに移し渋谷の知る人ぞ知る紹介制カウンターレストランでシェフ・ソムリエとして10年間躍。顧客の好みに合わせて料理とマリアージュさせるグラスワインの提供には定評があり、ニコ生「神の雫とワインな一時間」、日本テレビ「シューイチ」、フジテレビ「バイキング」、CM「やずや黄金極みだし」の他、文化放送「中島信也の土曜の穴」など料理と縁のないメディアにも何故か出演。 現在はワインの輸入販売の傍らワインコンサルタント、パーソナル・ソムリエとしてレストランから個人まで幅広くワインの魅力を伝えている。