選考会の席で、満場一致で選ばれた、新世代の開幕を告げるファンタジー伝奇。父の仇を討つために賭した命なのにーー。燃え尽きようとする十兵衛の魂を黄泉から引き戻したのは、この世のものとは思えぬほどに美しい僧の姿をした「鬼」だった。鬼もまた、十兵衛により息を吹き返し、お礼にと十兵衛に取り憑き、復讐の手助けをしようと申し出る。仇討ちに燃える若武者と、美貌の鬼との奇妙な道行きやいかに。

ネタバレ注意！

読了日：2020.12/21

個人評価：★★★☆

大塚已愛さんのデビュー作。

大塚さんの作品は『ネガレアリテの悪魔』が初めて読んだ本でした。それは西洋美術がふんだんに盛り込まれた上に、人外という素敵な要素が沢山詰まったお話でした。

2巻ととても短いシリーズでおわってしまったのですが、大塚さんの迫力ある戦闘シーンに惹かれ、他にも読んでみたいと思ってデビュー作を手に取ってみました。

冒頭での殺陣シーンは息を呑む程の迫力があり、まだ誰が主人公かもわからないにも関わらずドキドキしてしまいました。

ほんの少し、グロテスクな表現もありますが、映像ではなく文章ということもあり、そこまで怖さはなかったです。ただただ凄まじさと素早さが感じられ、圧巻でした。

物語も中盤に差し掛かってくるとなんとなく流れが掴めてくるように思えました。

ここで、歴史ファンタジー要素を感じられました。

途中で出会う異国の少女がとても可愛らしくて愛おしく感じました。顔に傷があるとかいてあったので、映画『モータルエンジン』を思い出しました。痛々しいよぉ...

後半につれてさらにファンタジーが強くなっていきますが、読み進めるほど手が止まらなくなりました。

歴史小説ではあるけれど、歴史分からなくても全然読めます‼

そして読めば気になってくるのできっと貴方も調べることでしょう！勉強したくなります（笑）

私はとっても勉強意欲が湧いています。

まだ勉強してないですけど。この意欲が低下しないうちに実行したいと思ってます‎|•'-'•)و✧

十兵衛の心境の変化や、異国少女の運命をハラハラしながら読んでほしい一冊だと思いました。

御方様のドSっぷりにちょっとハマりそうになった（笑）