人気のダム見学に行こう!放流、カード、カレー、ダムの魅力を紹介

テレビや雑誌、本で紹介され、人気のダム見学。ダムカードのコレクションにはまっている人もいる。ダム放流、ダムカレー、おすすめダムなど、初心者のためのダム観光術のポイントをご紹介。

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目次

ダム見学が人気、国内旅行の一ジャンルに!

ダムに行こう!〜 空撮DVDつき ダム写真集 〜絶景映像

ダム見学が人気だ。日本全国のダムを旅する人も増加中。
一般財団法人日本ダム協会のホームページによるとダムは堰との合計で2759ある。
それらのダムをひとつひとつつぶすように巡っている人もいる。
以前までは、ダムマニアという一括りの人たちだけの密やかな楽しみだったかもしれない。
今では、市民権を得たダム観光という一ジャンルになっている。

ダム見学が人気の理由

黒部ダムは、一度は訪れたいダム。ダムの高さ186mは日本一。©庄嶋與志秀
ダム見学が人気の理由は、『ダムカード』や『ダムカレー』、『ダム放流』などが雑誌・書籍などの記事になり、テレビに取り上げられたことも大きい。

そして、ダムそのものの大きさ、そのものが持つ迫力こそ最高の魅力である。
人は、圧倒的なものを見たとき、一瞬言葉につまる、そんな瞬間がダムを見上げたときにある。
計算なしの感動。それを見るだけの旅があってもいい、と思う。

施設内、堤体内、発電所などの見学をさせてくれるところが多くある。
団体見学の公募の抽選を行っているダムや事前予約を受け付けるダムがあり、問い合わせが必要。

ダム湖を中心に四季折々、いろんなシーンを楽しめるのもダム見学の魅力である。
冬は、雪のため見学ができないダムが多々あるが、春からは見学のシーズン。桜、新緑、深い緑、紅葉、季節ごとに見どころいっぱいだ!
まずはお近くのダムへ行ってみては。

ダムカードとは?

『ダムカード』とは、ダム見学に行った現地でもらえるカードのこと。
国土交通省と水資源機構の管理するダムや一部の都道府県や発電事業者の管理するダムで作成。ダムの管理事務所やその周辺施設で配布している。
表にダムの写真があり、裏にそのダムの情報が載っている。
統一デザインの公式『ダムカード』は350種以上はあるとのこと。それらのカードをもらうのもダム見学の楽しみの一つ。

ダム見学のランチはダムカレーで決まり!

『ダムカレー』もダム見学の旅の目的になっている。
ダムの近隣の飲食店でそのダムに見立てたカレーがダム名を冠し、提供される。

『ダムカレー』の情報を掲載、管理しているのが日本ダムカレー協会のサイト。日本ダムカレー協会主宰の宮島咲が2月28日放送の『マツコの知らない世界』(TBS系)で『ダムカレー』を紹介した。
『ダムカレー』とは、ごはんで堤体、カレールゥで貯水池(ダム湖)を表現したものである。

日本ダムカレー協会によると2009年ころから全国的に増え始めたという。
そして、2015年(24種類)、2016年(27種類)とこの2年で一気に増えた。
『ダムカレー』は「2017年2月現在、国内で93種類以上の数を数え、増加の勢いは衰えを見せません」。
写真上は、『黒部ダムカレー』、写真下は、『矢木沢ダムカレー』。©庄嶋與志秀
『ダムカレー』には、下流側に副材などを盛りつけて見た目を含む食事としてのバランスを考えたタイプ(写真上)と「堰き止める」というダム本来の機能に集中したタイプ(写真下)がある。
ごはんの堰にうがたれた穴からカレールゥが「放流」されるシーンを見るのも楽しい。

ダム見学のランチは、やはり『ダムカレー』で決まりなのだ。

ダムを撮り続ける写真家おすすめの初心者向けのダムについて

写真上から、『浦山ダム』、『深城ダム』、『日吉ダム』。©庄嶋與志秀
一般財団法人日本ダム協会のダム委員で、ダムの写真集『ダムに行こう!』を撮影した庄嶋與志秀に、初心者に向く首都圏からと関西圏から近いダムを教えてもらった。

都内から近く、イベント開催にも積極的な埼玉県秩父の『浦山ダム』

まずは、都内からも近い埼玉県の秩父にある『浦山ダム』。
「池袋から西武鉄道を使ってもいいし、車でも近いのが魅力。堤体(ダム)内のギャラリー見学やエレベータを使っての移動も可能です。エレベータはダムと下流広場を結んでいます。浦山ダム防災資料館『うららぴあ』では、ダムの勉強もできるし、家族づれにもぴったりですよ。『うららぴあ』内にある『さくら湖食堂』でハムカツつきの『浦山ダムカレー』が食べられます。ダム湖を眺めながらがおすすめです。イベントも積極的に行っていて、コスプレや痛車展示など、今年(2017年)も4月16日(日)に予定されています」

浦山ダム 公式WEB

観光放流が人気の神奈川県の『宮ケ瀬ダム』もおすすめ

「定期的に放流を行うダムとして有名です。首都圏から近いのも魅力ですね。直下流にある『あいかわ公園』でピクニックもできるし、ダムの放流を橋の上から真正面で見られます。好天に恵まれ、条件が整えば、放流に虹がかかるのが見られます。2001年から運用が開始された新しいダムですので、観光を意識した施設があるのもうれしいですね」
宮ケ瀬ダム 公式WEB

山梨県にある『深城ダム』も首都圏から近い

「このダムの魅力は、ダムを見上げたとき、ダムの背景に山が迫っているところ。ダムと山が理想のバランスで一緒に撮れるんです。ダムって山の中、というイメージがあると思うんですけど、実は下から撮影してダムと山が一緒に写ることってそんなにないんです。景観とのマッチが絶妙の美人ダム、としても有名です。松姫トンネルができたことで便利になりました。『深城ダム』を見学した後、松姫トンネルを抜け、道の駅に寄り、『小河内ダム』を見学して、奥多摩から都心に帰るコースが好きです」

深城ダム 公式WEB

関西圏を代表するダムと言ったら京都『日吉ダム』。

公共交通機関によるアクセスの良さも特筆。
「このダムも新しいダムで、観光に力を入れ、積極的に一般開放しています。堤体内が自由に見学でき、ビジネスセンターでは、『日吉ダム』のことや水の役割などについても学べます。直下流部に大きな公園やキャンプ場があり、足湯や温泉、プールも楽しめます。家族や仲間と一日中いても飽きないですね。ダム直下のループ橋からダムを眺めるのもおすすめです」

日吉ダム 公式WEB

ダムは季節によっていろんな表情を見せるので「是非、近くのダムへ何回か通ってみてください。新しい発見があると思います」。

ダム見学の醍醐味。ダム放流について

宮ケ瀬ダムは首都圏からも近く、放流は定期的に行っている。©庄嶋與志秀
ダム見学で一度は体験したいのがはなんといっても『放流』だ。
ダム貯水池(ダム湖)に貯められた水を下流へ流すことで、放水とも言う。
『観光放流』と称して定期的に、放流を鑑賞できるダムがある。
ダムの迫力をマックスで味わえるのが、ダム放流の見学だ。

映画にもなり、ダムの代名詞とも言える、黒部ダム!

平成29年度は6月26日から10月15日までの期間で、
186mという日本一の高さを誇るダムから、朝から夕方まで毎秒10トン以上の放流が行われるのだ。
ビューポイントが4か所もあるのが魅力だ。
黒部ダム 公式WEB

定期的に放流が行われるダムとして人気なのが、宮ケ瀬ダム!

毎秒30トンが6分間、放流される。
天気が良く、好条件が重なると虹が水流に映え、美しい。3か所のビューポイントがある。
4月~11月の毎週水曜日、毎月第2日曜日、毎月第2第4金曜日、定期的に放流が行われている。
その他不定期日でイベント放流も。

宮ケ瀬ダム 公式WEB

豊平峡ダムは、観光放流専用バルブから放流!

6月~10月まで土・日・祝日を中心に定期的に行われている。
環境保護のため、1km手前の駐車場から徒歩または、有料の電気バスで。
豊平峡ダム 公式WEB

鳴子ダムの上品な放流も一見の価値あり!

鳴子ダムから流れ落ちる8本の水流は、放流というよりも規則的に水が落ちる上品な滝のよう。
『すだれ放流』と称され、5月の連休に行われる。
ダムの前に吊られたたくさんの鯉のぼりの影が水流に映えて、まるで「鯉の滝のぼり」。

鳴子ダム 公式WEB

徳山ダムの広大なすべり台を大量の水が流れ落ちる!

総貯水容量が日本一の徳山ダムもGW期間中、洪水吐きゲートからの放流が恒例になっている。

徳山ダム 公式WEB


日本各地のダムで観光シーズンに合わせて、ダム放流が行われている。

天候などの原因でここに掲載の情報が変わることがあるので行く前にダムのサイトなどでチェックをしてから行くことをおすすめ。
その他に点検放流などがあり、事前にダムのウエブサイトで知らせているのでまめなチェックを!

ダムに行く前にもぜひ読みたい!ダムに行った気になるおすすめの書籍

ダムに行きたい!と思っても時間がない、お金の余裕もない、なんて人には行った気になる書籍『ダムに行こう!』(学研プラス刊)がおすすめ。
もちろん、ダムに行く前の予習にも使える。
ダムライターの第一人者であり、ダム写真家でもある萩原雅紀と同氏に出会ったことからダム写真に目覚め、その後ドローンでダムの空撮も行っている庄嶋與志秀との共著。
今、見ておくべき86基のダムの写真とその見どころを掲載。ドローンで撮影した70分DVDも付いている。

『ダムに行こう!』購入先